※一枚になった暦の雪の汽車
若い時代を雪国で暮らした私は、ラッセル車が雪を蹴散らせて走行する姿が目に焼き付いている。
もう二度とは目にしない風景だろう。
懐かしいの一言だが、この世の瞼からは消えない風景なんだろう。
この世は有っても、あの世は無い。
彼の世は死=消滅を恐れる人類の架空の世界だ。
死は消え去ることであり、宗教や極楽地獄の例えは死=消滅の苦痛を和らげる。
生から死は運命の成せる技、人間の希望や欲望から分離して独立独歩した存在である。
大酒呑みは60代70代で肝臓の病で死ぬ。長生きしたってどうこう云うわけではないが、東京直下型地震、富士山噴火、南海トラフト地震の自然災害などの発生、それに伴う対応など第三者の立場で夢想したりする。
死はイコール消滅。そのことを頭に刻んで与えられた生を気負うことなく消化する。
自死する勇気はないのだから淡々といきるしかない。